研究のタイプ: レビュー/サーベイ論文

[環境汚染と小児がんのリスク:最近の10年間からの証拠のスコーピングレビュー] review

Environmental Pollution and Risk of Childhood Cancer: A Scoping Review of Evidence from the Last Decade

掲載誌: Int J Mol Sci 2024; 25 (6): 3284

このスコーピングレビューは、特定の環境汚染物質と特定の小児がんとの関連を見出すため、入手可能な文献を更新し要約することを目的としている。2013年から2023年までに環境汚染と小児がんに関して公開された研究をPubMedデータベースから取得した。合計174報の研究をレビュー対象として分析した。この検索戦略では、空気汚染(29%)と農薬(28%)について評価した論文が最も多かった。化学物質の室内ばく露(11%)、妊娠中のアルコールおよびタバコの使用(16%)、電磁界(12%)、ラドン(4%)は研究の対象が少なかった。特に、小児がんと出生前後の屋内および屋外の空気汚染(84%および79%)ならびに農薬(82%)との間に高い正の関連が見られた。白血病と農薬および空気汚染(33%および27%);中枢神経系腫瘍および神経芽腫と農薬(53%および43%);ウィルムス腫瘍およびその他の稀ながんと空気汚染(50%)との正の関連が見られた。屋内空気汚染は、複数のがんのタイプを評価する研究で主に報告された(26%)。屋内および屋外の空気汚染ならびに農薬ばく露小児がんリスクとの潜在的な関連について、更なる研究が必要であり、より多くの予防策が取られる可能性がある、と著者らは結論付けている。

ばく露