[高圧電力線までの距離と小児白血病のリスク:他の潜在的リスク要因の交絡および相互作用に関する分析] tech./dosim.

Distance to high-voltage power lines and risk of childhood leukemia - an analysis of confounding by and interaction with other potential risk factors

掲載誌: PLoS One 2014; 9 (9): e107096-1-e107096-7

この疫学研究は、小児白血病リスクとの関連において、出生した住居から最寄り高圧電力線までの距離、住居内のラドン、交通大気汚染物質(住宅玄関でのNOx)それぞれが相互作用するか否か、これらの交絡を調整後に、小児白血病リスク送電線距離との関連が変化するか否かを調べた。調査対象は、デンマークがん登録により、1968-1991年に白血病診断を<15歳で受けた症例1024人、デンマークの小児人口から性別と生年を症例と個別マッチさせて選出された対照2048人である。地図情報システムを利用して、対象児が出生した住居とその最寄りの架空高圧電力線(132-400 kV)の距離を決定した。住居のラドンおよびNOx濃度は、妥当性が検証されたモデルで推定した。その結果、小児白血病リスクに関連して電力線距離とラドン濃度との有意な相互作用を見出した(ラドン濃度を中央値で区分した場合に見られたが、少数のばく露症例と対照に基づくものであり、またラドン濃度の75パーセンタイル値で区分した場合には見られなかったため、偶然によるものであろうと考察している);小児白血病リスクに関連して電力線距離とNOx濃度には相互作用が見られなかった;交絡因子として、居住地域の社会経済的状態・都市化度、母親の年齢、出産順位、住居のラドンおよびNOx濃度を調整しても、小児白血病リスク電力線距離との関連の推定値に変化はなかった、と報告している。

ばく露