[誘導電流と薬剤を分離させた神経細胞ネットワーク刺激システム] med./bio.

この研究は、磁気刺激の誘導電流による神経細胞の誘発反応は、無刺激領域の神経細胞の活動の影響をどのように受けるかについて、特殊なインビトロ実験系で調べた。細胞に対応したサイズの微細な実験系は、ミューメタルを用いた局所誘導電流刺激（LICS）システム、マイクロ細胞培養チャンバ、マイクロ電極アレイ（MEA）を組み合わせたものである。マイクロ細胞培養チャンバシステムは、フォトレジストであるSU-8をリソグラフィで成形した鋳型にポリジメチルシロキサン（PDMS）を流し、硬化させて製作したもので、中央の1個のチャンバと外側の8個のチャンバは放射状のマイクロトンネルで連絡する構造である。結果として、各チャンバに分離して培養されたラットの皮質ニューロンはマイクロトンネルを通してシナプス結合を形成し､機能することを確認した；LICSにより中央チャンバに2相性交番パルス磁界を印加して培養ニューロン周辺に誘導電流を発生させ、その神経活動の変化をMEAで記録した；その誘発反応は、外側チャンバの細胞に与えた局所的な薬剤刺激（LPS）により変化することを確認した､と報告している。