この研究は、アカウミガメ(Caretta caretta)の卵の磁気的な孵化環境が、孵化後の幼生の磁気ナビゲーション行動に与える影響を調べた。アカウミガメは外洋での移動に地磁気を利用していることが知られている。母親の巣の中の卵をそのままの自然磁界環境中で孵化させた場合、および巣の周囲に磁石を置いて磁界を乱した環境中で孵化させた場合について、幼生の磁気オリエンテーション行動を比較した。その結果、自然磁界中で孵化した幼生は、孵化場所から外洋への移動ルートに合致した方位へのオリエンテーション行動を示した;対照的に、乱れた磁界中で孵化した幼生は、ランダムなオリエンテーション行動を示した;波の軌道運動への反応や磁界感知自体には両群で差がなかった、と報告している。
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