[超低レベルの振幅変調電磁界を用いた進行性肝細胞癌の治療] med. app.

Treatment of advanced hepatocellular carcinoma with very low levels of amplitude-modulated electromagnetic fields

掲載誌: Br J Cancer 2011; 105 (5): 640-648

【背景】進行した肝細胞がん(HCC)の治療の選択は限られる。非常に低レベルの特定周波数で変調された電磁界によってがん細胞の成長が変化するかもしれないという、新たな段階の証拠がある。【方法】1つの治験者群、オープンラベル方式(医者も患者も治験が行われることを知っている)、第I/II相試験(臨床試験の初めの2段階)として、進行性で治療選択が限定的なHCCの患者41人に対し、HCCに特異的な周波数で振幅変調した非常の低レベルの電磁界を特殊なマウスプローブ(下記の訳者注参照)で口内投与し、その安全性と効果を調べた。1日3回、60分間投与の外来治療を、病状が進行または死亡まで行った。画像検査を8週間おきに行った。初めの効果判定指標は無増悪生存期間が≧6ヶ月となること、次の効果判定指標は無増悪生存期間および全生存期間とした。【結果】治療に患者は十分に耐え、NCIのがん治療毒性基準で2、3、4度に該当するものはなかった。全体の中で14人(34.1%)は6ヶ月以上病状安定していた。無増悪生存期間中央値は4.4ヶ月(95%信頼区間:2.1-5.3)、全生存期間中央値は6.7ヶ月(95%信頼区間:3.0-10.2)であった。3人に部分的、1人にほぼ完全な治療効果が見られた。【結論】進行性HCC患者に対する振幅変調電磁界の口内投与による治療は安全で、患者が十分に耐え、抗腫瘍効果の証拠を示した。訳者注:・臨床試験は段階的に、第1相試験では作用機序と体内動態など、第2相試験では効果と副作用を現実の治療に即して調べる。第3相試験では、より多くのがん患者を対象に、従来の治療法との比較試験を行う。・著者らが開発した電磁界投与装置は、搬送周波数27.12MHz、振幅変調周波数(100Hz-21kHzの範囲の194個の周波数を特別なプログラムで連続的に変化させる)の信号を信号発生器(出力100mW)から同軸ケーブルとインピーダンス変換器を介してスプーン形状のマウスプローブに送る。患者はそれを舌下に挟む。舌とマウスプローブの界面で最も高いEMFが計測されたが、ICNIRPの限度値を満たしていた。

ばく露

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