研究のタイプ: 疫学研究 (observational study)

[電離、非電離放射線への職業ばく露と神経膠腫のリスク] epidem.

Occupational exposure to ionizing and non-ionizing radiation and risk of glioma

掲載誌: Occup Med 2007; 57 (7): 518-524

【背景】神経膠腫の原因は貧弱な理解しかされていないが、男性における罹患率が高いことから職業的原因が長い間、示唆されていた。【目的】電離放射線紫外線(UV)、無線周波数(RF)および極低周波(ELF)電磁界への職業ばく露成人神経膠腫リスクの関連の可能性を調査すること。【方法】オーストラリアのメルボルンで1987年から1991年までに組織学的に確認された神経膠腫の症例と年齢、性および住居郵便番号がマッチされた症例対照研究。詳細な職業履歴が各対象者について得られた。すべての放射線についてのフィンランド職業ばく露マトリックス(FINJEM)およびRFおよび電離放射線に関する自己報告と衛生学専門家のレビューをも用いて、ばく露の評価がおこなわれた。ELFとUVについて、性別のFINJEM分析が行われた。【結果】調査集団は、416人の神経膠腫症例と422人の対照から成った。FINJEMによって得られた、ELF、RFおよび電離放射線についてのリスク推定値はほぼ1か、1を下回った。UVについての性別の分析は、最も高ばく露を受けた男女についてのオッズ比は、それぞれ、1.60[95%CI=0.95-2.69]、0.54[95%=0.27-1.07]であった(これらに対応した傾向性のP値は0.03と0.04)。【結論】ELF、RFおよび電離放射線への職業ばく露神経膠腫との間の関連性の証拠は見られなかった。UV放射線は、男性での神経膠腫リスク上昇に関連していたが、この結果は、高UVと強く関連する他の、男性の、職業ばく露および生活スタイル上のばく露の交絡を受けた可能性がある。UV放射線と神経膠腫の更なる研究が勧められる。

ばく露

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