研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[50Hz磁界ばく露後の新生及び成獣マウスにおける染色体異常誘発及び異数性] med./bio.

Clastogenicity and aneuploidy in newborn and adult mice exposed to 50 Hz magnetic fields

掲載誌: Int J Radiat Biol 2006; 82 (8): 561-567

この研究は、50 Hz、650 μTのELF磁界染色体異常誘発性および異数性誘発性を持つ可能性を調べた。子宮期(21日)の全期間を通してELF磁界ばく露を受けた新生仔マウスから採取した肝臓および末梢血、および同期間、同じELF磁界ばく露を受けた成獣マウスから採取した骨髄および末梢血について、CREST抗体染色を用いた小核試験を行なった。ばく露にはソレノイド コイルを用い、マウスを入れたコイルの中心部の磁束密度は約650 μTであった。その結果、新生仔マウスでのデータは小核頻度の有意な増加を示した;絶対値としては、誘導された小核の大半は、CREST陰性(すなわち、染色体断片によって形成された小核)であった;しかし、相対値としては、ELFばく露により、CREST陰性小核は2倍に増加し、CREST陽性小核(すなわち、染色体全体によって形成される小核)は4倍に増加した;ばく露を受けた成獣マウスでのデータにばく露による有意な影響は見られなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

50Hz磁界によって生じるかも知れない、新生及び成獣のマウスにおける染色体異常誘発及び異数性誘発の特性を検出すること。

詳細情報

子宮内での全期間(21日間)、超低周波磁界ばく露した新生マウスからの肝臓及び末梢血サンプル(赤血球)、ならびに、同じ磁界に同じ期間ばく露した成獣からの骨髄及び末梢血サンプルを調べた。
染色体切断染色体異常誘発性の損傷染色体断片を伴う小核につながる)または紡錘体の攪乱(異数性誘発性の損傷、全染色体を伴う小核につながる)の後に小核が生じる。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: 24 h/day for 21 days
  • 磁束密度: 650 µT effective value (at the centre of the solenoid)

General information

The experiment was performed with 4 groups: a) 15 adult mice b) 36 newborn mice from 4 pregnant mice which were exposed during pregnancy and three days after birth c) a control group of 15 adult mice which were not exposed d) a positiv control group with 6 adult mice which were exposed to X-rays

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 24 h/day for 21 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
チャンバの詳細 the solenoid was 0.8 m in length and 0.13 m in radius, with 552 turns of 2.5 mm² copper wire. The solenoid was not shielded.
Additional information A control group of another 15 mice was kept un-exposed for 21 days. Positive control was carried out exposing 6 adult mice to X-rays.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 650 µT effective value 指定なし - at the centre of the solenoid

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

新生マウスのデータは、小核頻度の有意な上昇を示した。絶対的には、誘導された小核の大半はCREST陰性(染色体断片で形成されたもの)であった。但し、相対的には、超低周波ばく露はCREST陰性の小核の2倍増加、CREST陽性の小核(全染色体で形成されたもの)の4倍増加を生じた。

ばく露した成獣マウスでは有意な影響は記録されなかった。

結論として、異数性は発がんに関して重要なので、電磁界と異数性との間にあるかも知れないつながりを調査するため、更なる研究が必要である。

研究の種別:

研究助成

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